日曜の夜にたまたまテレビを付けてたまたまNHK教育でやってた[芸術劇場]に出てる役者さんがどこか聞き覚えのある声とどこか見覚えのある演技をしているなと思ったら、以前撮った新宿オニごっこカメオ出演してくれた難波幸太氏だったのでビックリ、という話。

難波君役者辞めるって言ってたんだけど復帰したんだなぁ…こういう形で再会できたのって物凄く嬉しいな。

芝居は以前に観に行った事もある[チェルフィッチュ]の作品で、昨年11月に上演された[目的地]という芝居でした。チェルフィッチュ岡田利規さん主催の劇団である。難波君は決して器用な役者ではないと思うのですが、チェルフィッチュのスタイル、岡田さんのスタイルには凄くハマる人物なのだ。

そのスタイルとは、観客の心を揺さぶるための芝居という観点からかけ離れた位置にある超リアリズム主義的な演技、である。番組の後で岩松了氏は「自分が追求した[観客の方を向かない芝居]というスタイルが新しい形となって表現されていて結果的に[一回転して]観客の方を向いているような…」のような解説をしていた。

観客に訴えず、さらには共演者にも訴えず、徹頭徹尾自分のリズム、自分の言語感覚で膨大な量のセリフをしゃべり続ける。なんて言い方をすると「そこまで内向きなものをわざわざ観に行く意味があるのか?」みたいな印象を持たれるかもしれませんが、そんな芝居の中に面白みや違和感やマニア性を見つけ出した時に確かな感動が生まれる。

見る側の資質を問われる芝居、というとこれまた誤解されそうですが、観客一人一人が持つパーソナリティによって何かを掘り出そうとしないと全くナンセンスな言葉の羅列になってしまうというだけであって、実際に観賞するとその空間の異常性はとても刺激的なニオイへと変化する。

テレビに出た途端にここまで褒めると気持ち悪いな。。。とにかく偶然見たテレビで難波君と再会できて嬉しすぎる。コンタクト取りたいな。テレビ出たからって図々しいかな。だって辞めるって言ってたんだよぅ。