雑感

 映画業界・邦画産業に向けて攻撃的な事を書くと、自分の立場を肯定したいがためのイイワケに見えてしまうのが少しだけ怖くなるのですが。
 自主制作で映画を撮っている小説家・戸梶圭太が日本映画界を『寄生虫産業』と評した。それを見たチルさんは「あぁ、トカジも日本の映画業界に不満らしい不満を持っていたんだなぁ」と、少し驚いた。
 寄生虫産業なんて表現はチルさんに言わせると生易しいし、生ぬるい。かの駄作「サイレン」を観てチルさんは「犯ったもん勝ちか? チンコ入れたもん勝ちか?」と書いたが、あの当時の怒りは未だに冷めていない。日本映画界なんて、原作レイパーがうろつくスラムみたいなものでしょ。
 「だって、原作つきの映画にもヒット作品はあるじゃないか」寄生虫だかレイパーだかは言うかもしれない。しかし、ヒットの裏にはそれなりに必然性がある。それらの「ヒットに至る条件」をマッタク読み解こうとせず、ヒットに至るかもしれない良質の原作を引き当てる嗅覚ばかりを磨こうとしている。
 いや、原作がどれだけ売れたのかという数字とそこに見込める観客動員力しか見えてないんだから嗅覚も必要ないでしょ。数字の読み書きが出来れば誰にだって原作を釣ってこれる。
 アホか。
 自分の企画に比較的集中できているので、こういった「業界の腐臭」に鈍感になっているのかもしれない。季節が季節だから鼻詰まってるし。
 映画「東京タ@ー」の監督って、誰? 名前も知らない(知る気もない)あなたに問いたい。すんげー売れた書籍の映画化、そのディレクターの座を射止めた時のお気持ちは? あなたが描きたかった世界って「これ」ですか? この作品であなたはどんな挑戦をしましたか? スタッフのうち何%がこの映画を愛していると思いますか?
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 えいがゾンビとしてのチルさんはいいシナリオを書こうとまっすぐに努力することしか出来ないのでネガティブになる理由は無いのですが、↑みたいな事を書いていると久々にどよーんとしたテンションになりました。
 汚く罵っても映画業界が良くなっていくわけではありませんが、誰もが賛美する業界は必ず腐敗します。光明と成り得るような作品を生み出したい、と厚顔無恥なチルさんは常々思っておるのです。