演出概論

 ネタないので独り言を。
 次回作プロットを具体的に推し進めつつ、どの順番で描くか、どういう意図を持たせるかといったストーリーテリングについて考察したりしています。
 もっとローカルな部分でいうとディレクター業務・演出作業に関するスタンスをどうすべきか、みたいな事も考える。実際に演出に携わる可能性からは随分離れた位置にいるけど。
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 電車に乗ってフラーっと移動している間にも、「映画に出ていてもおかしくないくらい魅力的なルックスの女性」を沢山見かける。これくらいの子が映画に出てくれたら素敵だぜ、と感じさせるくらいの女性・女の子。
 もう少し想像力を働かせ、そういった女性を引っ張ってきて「あなたの魅力をどうぞ発揮してください」と言ってカメラをキュイーンと回す事をイメージする。おそらく、そこには何も生まれない。
 単に魅力的なルックスを持ったというだけの女性と、インディーズレベルの映画に出演してでも自分の存在感を示そうとしている人との違いは、本気で役者・女優になりたいという覚悟である。
 その覚悟を受け止めるのはディレクター・演出家の使命だ。ただ可愛いだけの偶像と確固たる差を付けなければいけない。役者の覚悟とディレクターの覚悟がぶつかり合う事で、ブレイクスルーと成り得る演技が生まれるのだ。
 なんて事を先週土曜に思った。
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 以前のチルさんは、自分が脚本上で表現したい要素さえ演じてくれればOKを出す、というのが原則だった。次第点が出るまではリテイクを重ねるけど、演出家として必死に100点を目指すつもりはなかった。今までもこれからも、そんな姿勢で撮影に臨んでいくであろう…と思っていた。
 でもそれじゃあダメなんだ。演者の覚悟が行き場を失ってしまうから。
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 日本映画はどちらかというと好調みたいだけど、芸能事務所主導で作られていく映画の製作現場に、演じる側としての覚悟を持ってやってくる人間はどれくらいいるのだろう。
 全員がその覚悟を持っているテイで演出するにしろ、全員がその覚悟を持っていないテイで演出するにしろ、柔軟かつ軽やかに対応できないディレクターは無駄に疲れるのだろうなぁ。
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 なんだか臆病者テイストが濃すぎるぞ。強気で行けい