時をかける少女

 昨日の深夜に放送された80年代実写バージョンを観ました。
 出演者の演技を見て大林監督の意思をじわじわ感じた(そしてネガティブな感情を抱いた)ものの、中盤以降は気にならなくなりました。
 前半のもっさり感も次第に納得できるようになり、まとまりのある構成だなぁと思えました。
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 今放送中のアニメ版もきっちり鑑賞。テンポやキャラクターの立ち方等は流石に洗練されているなぁと思いますが、ところどころで抱く違和感がぬぐいきれず、中盤に至ってもスッキリしなかったですね。
 原因として思いついたのが「女性の書いた脚本だからかなぁ」という、我ながら短絡的な仮定です。
 女性が描く主人公少女が能天気快活系なのはギャップを生むためなのでしょうか。たっぷり涙を流すために馬鹿である必要があったのでしょうか?
 時間を行き来するという超能力描写がいまひとつ説得力に欠けている点も、大林宣彦という個人の魂によるゴリ押しなら納得できるのですが。
 回数制限、0回になっちゃった、1回復活、という辺りが展開に意外性を持たせたつもりなのだろうなと感じましたが、そのSF要素に頼らず、本来、「人間の意思が持ち得る可能性」によって少しだけ救われる主人公…そういった結末が見たかったです。
 そういう意味で、80年代実写版の原田知世タイムリープ能力の無闇な乱用をしなかったし、悲しさが率直に表現されていたと思います。
 ここまで自分が感動できないとは思わなかったです。もう少し揺さぶられるような予感があったのですが…。
 正直なハナシ、Berryz工房が出演した芝居「江戸から着信!?〜タイムスリップto圏外〜」の方がキレイにまとまってると思うんですよね。いやホント。
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 p.s.時をかける少女は大林監督によるプロットではありませんね。早とちりしました。