Kids Return

 Kids Return(VHSに録画したもの)を観ました。
 某プロボクサーが滅多切りにあっていますが、反則が行われたか否か(指示があったか)という部分についてチルさんが「どうでもいいよ」と感じるのはKids Returnを観た影響なのかもしれないなぁと思うと、なんだか観たくなりました。
 この映画に出てくるプロボクサー達は全員、反則を行います。安藤政信演じる主人公シンジも同様。むしろ積極的に反則を繰り返します。ヒジ打ち、頭突き、足踏み、小手投げ。
 それらの行為が完全に排除されている事を前提としてリングに上がるボクサー、つまりスポーツマンとして立派なボクサーは“甘い”。それがプロボクシングの世界なのだ、というスタンスでこの映画は描かれています。ボクサー達は勝つために手段を選ばないのが当たり前。
 プロボクサーのシンジとは対照的なのが、ヤクザとなった金子賢演じるマサル/マーちゃんだ。ヤクザとして不器用に突っ走るマサルは抗争の手打ちを拒否し、戦争に踏み切る事を声高に主張する。あまりにも純粋です。その結果マサルは組内での立場を失ってしまう。
 真っ当に生きようが、なりふり構わず生きようが、結果が良ければ賞賛され、悪ければ蔑まれる。世界は大抵そういうルールで動いている。さて、おまえはどう生きる? そんな映画なのかもしれませんなぁ。
 あの選手は謝罪会見に追い込まれましたが、世界タイトルを賭けた試合で勝利していたらマスコミは攻撃する理由を見つけられずにいたでしょう。大衆が本気でボクシング界の浄化を望んでいるわけでもない。誰が何を望んで、あの流れが出来上がっているのでしょうか。
 夕方5時から毎日放送される大河喜劇ですな。
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