10億分の1の男
ファン・カルロス・フレナディージョ監督作品「10億分の1の男」を観ましたがちょっと物足りなかったです。早々に結論。
つかみは素晴らしい。シリアスに徹底したテイストもなかなか良い。しかしもう少しコンパクトにまとめられる気がする。ネタのボリュームの割にベターと間延びしてる感じ。よくあるパターンだけど。
ラストシーンは描写的になかなかイカすんだけどそこに至るまでにテンションが上がりきらない。これもチルさんがよく用いる批評表現ですね。
“勝負”に挑む二人と、その勝負をぶち壊そうとする存在が若干ミスマッチで観客の中で消化するのが難しい。「勝負はどうなるんだ?」という期待感と、その逆方向「勝負はぶち壊されるのか?」という期待感がぶつかり合ってなんともかんとも。
中盤までの牽引力は素晴らしいんだけどなぁ。牽引力というポイントを自分の中でより一層強く抱くようになりました。この言葉を意識すると、どんなフィクションを描くのにも臆病になる。こんなストーリー面白がってもらえるだろうか? と。
誰もがその恐怖に勝ってる。勝ってるの? はぁ〜…