Good Fellas

 グッド・フェローズを観ました。所有DVD。ブログに感想らしい感想を書いていなかったので観てみようと思いました。
 オーディオコメンタリーには主人公の実物であるヘンリー・ヒルwikiと、後にヒルに司法取引を持ちかけファミリーの大物を次々と逮捕するに至ったエドマクドナルドの二人が映画を観ながら当時のエピソードを語っている。(監督&キャストのコメンタリーもあり)
 ギャングスタとしてやりたい放題やったヘンリー・ヒルが終始笑いを交えながら当時の事を語っているのに若干戸惑うも、ヒルは結局人を殺していないし、ところどころで弱気な部分もあった人間だから「あり」なのかなぁという気さえしてくる。
 麻薬はさばいてたし死体遺棄はしたし史上最大規模の強奪なんかもしちゃってるんですけどね。
 最初にこの映画を観た時はとにかく笑えました。ボスに隠れてコカインヘロインさばくし、自分でも吸ってしっかりジャンキーで顔面蒼白だし、ヤクを計量させてる愛人にズボンを下ろされて怒りを収めてみたり…ダメ人間直行コース。めちゃゴージャスな映画なのに描いてる対象はクズ。
 やってることは行き当たりばったり。麻薬取引で逮捕された瞬間をヒル本人は「これが私の人生の終わりであり始まりだった」と語り、結果的にファミリーを売って生き延びた事を「裏切り者になった自分を長い間許せないでいた」とも語っている。
 印象的だったのは、彼女が近所のチンピラにレイプされそうになった際には激高して殴り倒した若い頃のヘンリーも、ヘマをやらかした自分がジミーに呼び出され、その代わりに行った嫁が怯えきった様子で帰ってきた頃には自宅にこもって拳銃を手放せないヘタレ丸出しなところ。
 ほぼ実話ということで圧倒的なリアリティが説得力を後押ししているのは間違いないのだけど、シーン構成のメリハリなどはかなり参考になりました。この調子ならThe Departedもなかなかの仕上がりかもしれない。