キングオブコント

 いまさらですが観ました。ヤオとかなんとか言われてるみたいですが、あの審査方法は問題があると言うよりも「難しい」ですね。100人の芸人が5点満点で採点すると言われてもその結果はじきだされた数字の意味合いがよく分からないと思う。平均何点だなーという事ぐらいしか見えてこない。M−1の得点表示とはやや違う。
 しかしバッファロー吾郎が優勝に値するコントだったのは間違いない。というか他の芸人が弱かったです。全体的にレベル低かった印象。
 一組ずつの感想。

  • TKO

 普通。ボケキャラクターのみで積み上げていく笑い。コントの割に、ボケとツッコミがかなりハッキリしているのもオーソドックス臭が漂う。古臭さと紙一重ともいえる。

 市毛良枝の名前をあまりにも唐突にドロップところが凄かった。早い。東ちづる辺りの名前のチョイスも含め、20代前半にウケようとしていない姿勢、芸人としてのパンク性が見える。そういった勇気が芸人から高く評価される要素であろう事は想像に難くない。

  • ザ・ギース

 卒業式とサッカーという組み合わせからほとんど外に出ないところが、つまらなかったです。

 観客が笑いまくってる事に愕然としました。会場人気ですかね。「皆さんが思っているより2倍」というボケを普通に連発するだけでドッカンドッカンウケてたところなんか正直呆れました。ツッコミが存在感を消すという手法は悪いと思わないけど単一キャラで最後まで押す単純な構成も含め、全然笑えませんでした。

  • チョコレートプラネット

 バッファロー吾郎に似た馬鹿世界観が早々に展開されてつかみは完璧。キャラクターの変化も多彩でテクニックもある。しかし観客の笑いはこのコンビをなめているかようなテイストである。分からない。

  • ロバート

 8組の中で最も馬鹿なシチュエーションである。バッファロー吾郎よりももっと勇気があるのかもしれない。「なにー?」「なんだー? これー」「わからないー」といった山本による一癖あるツッコミ(というかボケ)が絶妙で感心してしまった。

 現代お笑い界に乗れていないチルさんでさえ観たことのあるネタでした。評価するしない以前の問題。責めるわけじゃないけど、良し悪しをどうこう言えない。昔観た時は笑ったかなぁ? 当時もあまり面白くなかったような気がします。

  • 2700

 粋なりというコンビが似たようなネタをやってるビデオがうちにある。粋なりの場合は男性アイドル歌手とファンという関係で作られたコントだったけど、2700のこのネタは芸人とファンという関係性でボケている。見えている世界が狭い。普段自分たちが浸っている世界でコントを作るというところに発想の乏しさを感じてしまう。最後まで観れませんでした。

 ボケの織り交ぜ方のパターンが豊富でいちいち凄い。フリからのボケ、スカシからのボケ。ブドウ糖という単語がコントになり得るシチュエーションを発見する鋭い視点。そういった意味では新進の芸人の方が上かもしれないが、バッファロー吾郎はこのレベルのコントをいつでもいつまでも生産できそうな雰囲気がある。それにしても5分は短い。

 演技のリアリティを大事にしてるのは分かるし、そっち方面で業界トップの能力を持っているのだろうなーとは思うのだけど、テンションの上げ方にやや無理があるというか…状況にもう少し変化が欲しかった。バナナマンのネタは基本・ボケの設楽が最後まで淡白なキャラだったので日村が常にペースを作るのに終始してしまったのが勿体無い。こちらは5分以上もたないネタのように見えた。
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 優勝決定戦の判定で差が付いたのは、バナナマン方面のアプローチを行っているコンビがいないのが原因でしょう。特にチョコレートプラネットやロバートは馬鹿シチュで突き抜けるネタで勝負する芸人だったわけで、彼らがバッファロー吾郎を支持するのは明白でした。
 それにしてももっとレベル上げてほしいですね。バッファロー吾郎みたいなコンビ出てこい! とは言いませんが若手に唸らせて欲しかったです。あ、チョコレートプラネットはとても良かったです。