dance?

 拙作新宿オニごっこに出演してくださった山中智水さんが出演したオムニバス映画「dance?」を観てきました。
 3話構成で59分。
 第1話「手と手」。あらすじは書きませんが間延びしてましたね。情報量に対して尺が長すぎました。間を詰めるか、尺に見合うだけの情報を詰め込むかした方が良かったと思います。
 笑いと泣きの両得を狙った感じも全体の印象がぼやける原因でしょうか。役者さんの演技に幅を持たせようとした構成が不自然さを生んでいるように見えました。ディレクターがしっかりとしたビジョンを持てばこういうあやふや感は避けられたように思います。
 山中さんはこの第1話に出演していたので「色んな演技が見れたので良かった」とは伝えましたが、よく考えるともっと深い演技が見たかったかも。
 第2話「桃ちゃんの拍手」。正直1話とは段違いのテンポ感で飽きずに見られました。映像を演出するのが初めてだという菊池さんですが映像面のアイディアもところどころ巧くて流石でした。
 しかしエロティックなシーンで小細工をサボると結構間抜けになる事が勉強になりました。汚いものを馬鹿正直に撮ると見るに堪えない映像が出来上がる。うむ。
 それは教訓として置いとくとしても、なかなか良い出来でした。
 第3話「記憶」。テクニカルな構成でよく出来てます。テンポも2話に近いです。この作品の場合テクニックとオチがほぼ同義なんですが、オチはもう少し綺麗にまとめられたと思います。映像的にオチをつける事から逃げているように見えます。
 老女役の方の演技はとても滑らかでなんとも素敵でした。
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 役者であり、芝居を演出している菊池一寛氏が書いた脚本を他人が演出した映画。ディレクターとしての責任の取り方とは何か、という事を改めて考えさせる作品でした。監督するという事にあまり意味は感じないけど、常に責任を取ろうとする必死さは持っていなくてはいけない。
 とどのつまり誰か仕事くれないかな…監督する事にも企画を生み出す事にも飢えまくりだぜ! そういう事をこういう場所で書く事が一番無責任なのかもorz