City of God

ブラジル映画『City of God/シティ・オブ・ゴッド』を見ました。レンタルDVD。クライム映画は大好きなんですが「子供が銃を撃ってるジャケット」とかモチーフそのものにあまり魅力を感じてなかったので未見だったのですがこのタイミングで見ることに。
物語は10年近くにおよぶ3部構成のような形で描かれ、最終的に蜂の巣になった実在の人物リトル・ゼの生涯に焦点を当てています。
リオ郊外のスラム地区「神の街」でやりたい邦題だった3人組のチンピラ、その下に位置していた少年リトルダイス。3人組が企てたモーテル強盗事件に見張りとして付いていったリトル・ダイスは、銃声で3人組を現場から逃走させた後にモーテルの客と従業員を皆殺し。3人組はその影響で失脚。リトルダイスがスラムの頂点に登り始める。これが第一章。
狂気じみた強盗を繰り返して一目置かれる存在になったリトルダイスはリトル・ゼを名乗るようになり、コカイン売買のルートを暴力で奪い、さらなる権力を手に収める。この辺が第二章。
狂言回しポジションにいる主人公ブスカペはスラムで生まれ育ちながら写真家を目指している。リトル・ゼと同じ地区に育ち、3人組の1人だった兄をリトル・ゼの手で殺されている。
このブスカペが辿る運命はリトル・ゼに翻弄され続けるのですが、その結びつけ方がいくらなんでも強引すぎる気が。
ブスカペがほれた女はリトル・ゼの相方ベネに寝取られるし、ブスカペが幼馴染の元へ麻薬を買いに行くと麻薬のシマを横取りに来たリトル・ゼと出くわすし、敵対組織の大物が逮捕されてマスコミによる報道がなされるとリトル・ゼが自分の写真を撮られたがってブスカペを呼びだすし。
「なんて運命をたどるんだこの男は!」と感動させたがってるにしてはあまりにも強引すぎ。
そういう部分に目をつぶれば、キレイに伏線が回収されたような快感を得られるんでしょうけど、狂言回しキャラにあらゆる事象が連結しているのは不自然すぎました。
あとは、ギャング映画ならではのエグさが物足りない。シマを奪い合い、殺し合う当事者がガキんちょであることの重さは理解できるものの、やってることは行き当たりばったりでただのトンパチ。
というわけで個人的にはあまり引っかからない作品でした。
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同じくブラジル社会の腐敗を描いた『エリート・スクワッド』、その続編『エリート・スクワッド〜ブラジル特殊部隊BOPE』はかなり感動したのでオススメします。ストーリー構成がすごく似てるんですけどね。アヴァンタイトルが中盤以降に再登場、っていう。