They Live

ジョン・カーペンター監督作品『They Live/ゼイリブ』を観ました。
特殊なグラサンかけたら街がエイリアンだらけ。というネタは知っていたのですが作品自体は未見でした。ビデオ屋のSFコーナー見ててなんとなくレンタル。
主人公がホームレス街に辿り着いて、すぐそばの教会での怪しい会合を目にするも、正体がわからないままホームレス街が警察に制圧されて散り散りになる。ここの序盤の流れはスイスイ行き過ぎというか淡々としすぎていて、もうちょっとうまい脚本に出来たんじゃないかと。
一晩明けて、教会に行ってみると謎のグラサンを入手。なんとなくかけてみると、看板や雑誌やテレビ放送に隠された裏メッセージが見えるようになってる。さらには街を歩く人々の中には人間とは別個のグロテスクな生物がチラホラ。
錯乱した主人公はスーパーマーケットでおばさんエイリアンをストレートに罵倒し、エイリアン軍団から狙われる立場に。この構図になるまでの流れもちょっと強引というか。スリルとかサスペンス性に欠ける展開。
大味なアクションで切り抜けた主人公。指名手配されている中で頼れるのはホームレス仲間しかいないということで日雇いの工事現場に行って再会。グラサンかけろ!と強要するも、浅い付き合いだからか断固拒否される。グラサンかけろ! かけるもんか! ここの喧嘩シーンがやたら執拗でありながらも作中で最もまともなアクションしてました。主役はWWEのプロレスラーだったロディ・パイパー。派手に殴り合うのはお手の物。
主人公とダチのタッグが結成されてからは銃撃戦メインになるのですが、雑。ガンファイトに熱がまったく感じられない。ダラーッとしながらエイリアンの本拠地テレビ局へ乗り込む。
毒電波を流していたアンテナを破壊するも主人公とダチは死亡。命を賭した甲斐もなく、エイリアンのサブリミナル放送は続いていくのでした。
社会風刺色の強いバッドエンドなんですが、主人公の頑張りや怒りがいまいち伝わってこないので余韻もクソもありません。グラサンで宇宙人丸見え、のアイデアだけがやけに鮮烈な映画でした。