ナイト・ウォッチ

ロシア映画ナイト・ウォッチ』を観ました。監督がティムール・ベクマンベトフ。大ヒットしたハリウッド映画『ウォンテッド』の監督です。
ウォンテッドはビジュアルノベル(≒コミック)を原作にしていて、ロシア人監督ながら原作の熱に負けない緻密な描写力を発揮していたわけですが、ナイト・ウォッチも原作が小説。
光サイドと闇サイドの知られざる抗争・・・というありがちな設定ではあるのですが、ディテールがいちいち濃い。ディレクターの情念がたっぷりこもってる。
しかし中盤以降は物語の失速感を感じる。「次どうなって、その次どうなって、どこに落ち着くのかなー?」と思ってたら「こうなりました」と言われて終わってしまった。
世界観を描くことに注力しすぎて展開に乏しい。前半の見せ場として主人公と吸血鬼カップルのバトルがあったのですが、後半はバトル感があまり観られず。キーパーソンを探し続けて終わってしまった。
ナイト・ウォッチそのものが続編『デイ・ウォッチ』へつなげるための伏線になってる感じがあります。ものすごくテンションを高めた状態で「うおおおお、この後どうなるんだー!」って続編に突入するのが理想なんでしょうけど、「キーパーソンが闇サイドについた」というオチだけでは物足りない。
まあしかし、CGを含めた映像センスに関してこの監督は凄いものを持ってます。もうちょっと注目してみます。