プロメテウス

リドリー・スコット『プロメテウス』を観ました。
パシフィック・リム』の日本公開を間近に控えるギレルモ・デル・トロ監督がH.P.ラブクラフトの『狂気の山脈にて(狂気山脈)』の実写化を計画していたものの製作を断念したというニュースに驚きまして。
製作中止の理由のひとつが、プロメテウスと狂気山脈が結構カブってるからだ、という説もあったりして。そうなると『プロメテウス』にラブクラフト的なアプローチを期待してしまう。
複数の知り合いがこの作品に関して言及していたという事もあって、観てみました。
あっさり結論を言うとラブクラフトらしさはあまり感じませんでした。真相に近づいていく過程の部分で。物語自体は狂気山脈のスジに似てるかもしれない。
作品の感想をざっくり言えば「けっこう面白いじゃん」でした。公開当時この作品って叩かれてませんでしたっけ? あれはコマーシャルのコピーへの反発に過ぎなかった? まあよく覚えてませんけど。
ホラーテイスト強めで、大作らしいスケールで、SF描写も結構前衛的だし、スリルも結構あって。過度な期待が無かった分、そこそこ楽しめました。興奮するような展開はまったく無かったですけど。
ラストで「エンジニア」こと旧人類がタコっぽいクリーチャーに寄生されてエイリアンチックな生命体を生み出してましたが、あれは蛇足だったかなあと。エイリアンに特別思い入れがないから、この映画がエイリアンサーガに組み込まれなくても一向に構わなかった。
エイリアン周辺って世界観がテキトーですよね。プレデターが生み出した生物兵器とかいう話もありましたよね。強引にオチを作らなくても良かったんじゃないかなーと。
トータルとしてはそれなりの怖さもあって大作らしい責任は果たしてるような気がしますけど、宇宙船クルーがセックスをおっぱじめることで旧人類の遺跡に取り残された2人が死ぬ、という流れはちょっと軽いかな。もうちょっと悲劇的な死に方を演出できた気が。
新鮮なSFだったのでそこの部分だけで納得してしまってる感じもあります。まあ、悪くなかったです。