Contraband

 ハード・ラッシュ(原題:Contraband)を見ました。監督はバルタサール・コルマクール。アイスランドで実績を積んだ人で、今作でハリウッド・デビュー。
 かつて魔法に例えられるほど鮮やかな手口で密輸を行っていた主人公。手を洗ってカタギになっていた彼の義弟がコカインの密輸中に湾岸警備隊の査察を受け、あわててコカインを廃棄。莫大な借金を背負うことになる。
 主人公は義理の兄として仲介に入るものの、マフィアは妥協案を認めず、莫大な金額を支払うよう命じてくる。義弟は再び貨物船に乗って密輸を働こうとする。主人公は尻拭いのために現場復帰を決意する・・・
 他人から盗む手口を鮮やかに描いた映画は沢山ありますが、密輸の手口にフィーチャーした映画はあまり記憶にないです。
 マーク・ウォールバーグ演じる主人公は馬鹿な義弟のために周到な準備をし、アクシデントでプランが崩壊しても最後まで諦めません。やってることは密輸という犯罪行為なんだけど、その犯罪に対する拒絶感を和らげるために前半を費やしています。
 後半はアクションも多く、ハリウッド的な味付けがちょっと濃いめですがサスペンス性の付与はかなり上手いですね。
 主人公の帰りを待つ妻が残っているアメリカと、密輸ミッションを進める船上〜パナマでの時間の進み方が辻褄合わない気がしないでもないのですが、キャラクターの描き方とかテンポとかがよく出来ていてかなりお気に入りの作品になりました。
 この作品でバルタサール・コルマクール(バルタザル・コルマキュル)監督の能力の高さを感じ、劇場公開間近の『2ガンズ』が同じ監督の作品であることに気付いたチルはすぐさま見に行くことを決意しました。