2月3月の生タマゴShow!

 2014/02/23 ZEPP TOKYOにて『ハロプロ研修生発表会 2月・3月の生タマゴShow!』を見てきました。チルが生タマゴShow!を見始めたのは2013年の6月からなので、今回が4回目の参加です。
 ハロプロ研修生を中心に生まれたハロー!プロジェクトの新ユニットJuice=Juiceがチルのハートを見事に撃ち抜いたので、それをきっかけにそれまで殆ど興味がなかったハロプロ研修生の公演に足を運ぶことに。
 生タマゴShow!に出演するのはメジャーデビューシングルのリリースから半年が経ったJuice=Juiceと、ハロプロ研修生26人(小数賀芙由香さん欠席)。 ハロプロの先輩の曲やJuice=Juiceの持ち歌、ハロプロ研修生名義でリリースした曲などをライブパフォーマンスするコンサートです。
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 チルはJuice=Juiceの高木紗友希さんを特に推しているのですが、ハロプロ研修生の中にも応援したいメンバーを何人か見出すようになりました。デビュー出来るかどうかはまったく分からないのに、プロのアイドルになるべく厳しいレッスンを重ねる彼女たち。その努力の跡を感じられる生タマゴShow!は毎回驚きと感動が待っているのです。
 というわけで今回の公演をざっくりと振り返ろうと思います。
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 チルが昼公演直後にTwitterに投稿したツイートはこうです。
段原瑠々船木結の伝説が始まった… #hpkenshu だんばらんボーカル超すげえ!
 段原さんと船木さんは研修生でも一番キャリアが浅い20期生。20期の7人は全員がモーニング娘。12期メンバーオーディションの最終選考まで残った人たちで、研修生への加入は2013年9月。
 2013年12月の生タマゴShow!からパフォーマンスに参加した20期ですが、前回は歌割りもなく、選抜ユニットとしてはダンスパフォーマンスに参加するに留まりました。
 今回の公演から20期も選抜ユニット曲に参加したわけですが、そこで段原瑠々船木結が見せつけた歌唱力がとんでもないインパクトだったのです。
 段原さんは東京公演のみ、あぁ!の『FIRST KISS』をやったのですが、難易度の低くないこの曲への抜擢で段原瑠々がいかに期待されているかが分かります。段原さんはハイトーンのフェイクを混じえた鈴木愛理パートを担当し、原曲に匹敵するレベルの歌唱力をライブで発揮していました。原曲は鈴木愛理が9才の頃に録ってるのでそれはそれで鈴木愛理の凄みを感じるのですが。
 続いて20期メンバー7人でBerryz工房の『ROCKエロティック』に挑戦。セットリストを見た時は「このメンバーでBerryzの2013年曲をどうやってやるんだろう。段原さんがいくら上手くてもなあ・・・」と思ったのですが、そんな予測を裏切ったのが船木結
 最初のソロパートを段原さんが歌い、次に別のメンバーがソロパートを歌ったところで「この力強く響く低音ボイス、だれだ!?」と目を凝らすと、研修生の中でも一番背の低い船木結さんだったわけです。にわかに信じられなかったですね!
 見た目の幼さから想像できないような声質にギャップを感じて驚いたのは確かですが、そのトーンで音程も安定してるんですよね。研修生公演で歌を聴いていると頭でカラオケの精密採点をしてるように「音程ズレるかな? ズレるかな? お、このパート乗り切った!」みたいな聴き方をする事が多いのですが、段原・船木はほぼ完璧でしたね。
 段原さんと船木さんの2人がグイグイと牽引。パートこそ少なかった他の5人も新人にしてはスキが小さくて賞賛に値すると思いますが、小学六年生の段原瑠々と、小学五年生の船木結が残した強烈な印象の前には若干霞んで見えました。個人の感想ですが。
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 Juice=Juiceメンバーについて。基本的には推しメン高木紗友希さんを見ていたのですが、一応他のメンバーも見ました。
 印象的だったのは宮崎由加さん。単純な話、楽しそうでした。Juice=Juiceの新曲『裸の裸の裸のKISS』をやっている時も、笑みがこぼれてました。シリアスな顔の方が似合う曲なんですが、ニコニコ。 新曲を初めて披露できることが嬉しいのか、あるいは満員の観客の前でパフォーマンスできること自体が幸せなのか。そういう想像をさせてくれるような笑顔でした。見ていて楽しかったです。曲に合わせた困り顔も見たかったんですけどね。(ずっと宮崎さんに注目してたわけじゃないので見逃しただけだと思います。)
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 金澤朋子さんは、特に新曲での表情の作り方に格段の進歩を感じました。感情を抑えた表情の中にも意図を持って魅せるキャラクター性が見えました。ストレートに言うとサディスト感ですね! またTwitterから転載すると、
>M男が服従したくなるようなクールな見下し感が出てて「そうだ、それがあなたの武器なんだ!」と思いました。
 だそうです。1月のハロコンでは表情の面で不満・物足りなさを感じていたのですが、今回は意識の高さが見えてとても嬉しかった。
 金澤さんは選抜曲でモーニング娘。の『ドッカ〜ンカプリッチオ』に参加。この曲はテンポ早めのお祭り系ソングなのですが、ソロパートはもちろんユニゾンにおいても金澤朋子ならではの独特の声質がしっかりと聞き取れるんですよね。彼女の持つ不思議な抜き方の声は神が与えたギフトです。
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 植村あかりさんは、美しさに隙が無いですね。またツイート転載すると
>美しい(←美しさの間違い)という武器の切れ味が凄かった。微かな笑みを浮かべながらスラッとしたスタイルを振りかざして踊る。それだけで強烈な存在。
 ソロパートの少ないあーりーですが、あれほどの美人が後ろで踊ってれば自然と視線が吸い込まれます。ニコニコ笑う曲も合うんだけど、寒色系ソングでは美貌が引き立ちまくりで圧倒的です。
 植村さんの選抜曲はスマイレージ『新しい私になれ!』。ダンスは激しいのですが雰囲気はクール系なので、彼女の魅力を堪能できるナイスな選抜だったと思います。
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 宮本佳林さんは正直なところ印象薄いです! めちゃめちゃ可愛いしダンスもバッチリだしパートも多いから視界に入らないはずがないのに。身長低いから? いやいやそれは言い訳ですね。
 新曲『裸の裸の裸のKISS』では佳林ちゃんってそんなに存在感発揮してないように感じるんですよね。ほんのちょっと冷遇されてるというか。佳林=エース!というほど佳林ちゃんのキャラクターに「曲が寄って」いない。両A面シングルの対になる『アレコレしたい!』では宮本佳林の魅力が存分に発揮できるっぽいので、早くそちらのライブパフォーマンスも見たいところです。
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 そして我が推しメン高木紗友希さんなのですが。以前の生タマゴShow!で彼女のパフォーマンスから感じた震えるような感動は得られなかったです。『裸の裸の裸のKISS』ライブを見るのが初めてだったので、どこで紗友希パートになるのかも把握しておらず、様子見状態でハラハラしていたからかもしれません。新曲最後のシャウト気味ソロパートをバッチリ決めたところは「紗友希流石だな。紗友希流石だな」と思いました。
 かなり幼い顔立ちの人なのですが表情に関しては頑張っていたと思います。新曲でもクールさや切なさを感じさせてくれました。 ダンスもカッコいいのですが、素人のチルの目からすると元のフリから逸脱することで初めて「おっ」と感じるので、そういう意味では印象に残らなかったです。正確なダンススキルがいかに凄いのかをよく理解していないキライはあります。フリも見慣れていくうちに高木紗友希らしさを感じられるようになる気がします。
 選抜曲として『新しい私になれ!』に参加。以前の公演では難易度の高い曲に参加して高木紗友希だけが目立っていたという例もありましたが、今回はそれほど難易度の高くない曲だったし、ソロパートも紗友希ばかりに偏っていないし、研修生全体がレベルアップしているということもあって際立った活躍をしてるようには見えなかったです。とはいえ、歌の正確さと表現力の高さとダンススキルを見せつけるその様は完全に独り立ちしたアイドルでした。
 今回自枠で引いた座席が28列センターと18列のド下手という不運だったので、ステージの熱や個人のパフォーマンスをあまり感じられなかったなあという感触です。もっと高木紗友希を感じたかったですよ!
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 Juice=Juiceメンバー個人評は以上です。続いて楽曲単位でざっくり。
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 セットリスト4曲目の選抜曲、スマイレージの『チョトマテクダサイ!』。これに参加していた藤井梨央さん(ニックネーム:りおりお)がチルの中で赤丸急上昇な研修生なのです。事前にセットリストが発表された際にも、藤井さんの元気さとチョトマテクダサイ!のコミカル感が相性バツグンだなと思っていたのですが、案の定でした!
 この曲にはガニ股おっぴろげて歌舞伎における「見栄を切る」ような振りがあるのです。立ってる状態から重心をストン!と落として見栄を切る、その時の藤井さんのキレの良さが面白すぎてめちゃめちゃ高まりました。
 もう少しはっちゃけて、カラを破って、無茶しても良いように感じますが、彼女を含めた研修生たちの心には「先生から”雑”と評価される怖さ」があるんでしょうね。デビューするには先生の印象を良くしなければいけないわけで、そういう高い目標を目指している研修生に「もっともっと自分らしさを!」と要求するのはヲタのエゴのように思えてきました。反省!
 歌に関して、藤井さんはパートも多めで、そこそこ期待されているようです。努力を感じさせるしっかりした歌いっぷりでした。少しずつ自信を付けているなあと感じます。全員参加曲『おヘソの国からこんにちは』でもソロパートもらってましたね。とにかく、チョトマテクダサイ!で藤井さんの姿を追いかけてる時間は至福でした。
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 Juice=Juiceが2曲歌った後のセットリスト7曲目は回替わり曲。東京は段原さんも参加したあぁ!の『FIRST KISS』でした。同曲には田口夏実牧野真莉愛も参加。牧野真莉愛さんが音程の安定感と声量の両面で成長を感じさせてくれました。元々アイドルオーラの凄い人ですが、スキル面ですごく伸びてる人かもしれません。
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 『FIRST KISS』直後に全員曲の『おヘソの国からこんにちは』に雪崩れ込むのですが、研修生のエースを狙う浜浦彩乃さんの冒頭セリフ「なあみんな、ヘソんとこよろしく」を牧野真莉愛が担当して会場全体がドキッとしてました。
 今までこの曲でソロパートを担当していたメンバーがすべて交代し、いわゆる17期以降の若手にソロパートを歌うチャンスが与えられていました。落胆した研修生もいたでしょうが、若手が自信を付けてレベルアップのきっかけを得ることも大事だと思います。ヲタとしては新鮮な印象で聴くことができました。
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 チルがもう1人注目している研修生が山岸理子さん(ニックネーム:りこりこ)なのですが、りこりこを見ている時についこの間まで感じていたダンスの勢い・キレがあまり感じられず残念でした。
 りこりこの選抜曲はモーニング娘。『What's Up? 愛はどうなのよ〜』と℃-ute『超WONDERFUL』でした。どちらも元気なダンスと笑顔ではじけられる曲だと思うのですが、期待していたほどではなかったです。
 元々控えめなキャラクターとルックスではあるのですが、彼女のピーク時は「おいおいやりすぎだろw」と言いたくなるくらいの元気さがあるのです! 髪を思い切ったショートカットにしていて、そこはとっても可愛かったのですがグイグイ攻めるダンスが見たかったなあ。
 原因として考えられるのは、りこりこがハロプロ研修生の参加する舞台仕事のメンバー8名のうちに選抜された事。生タマゴShow!の準備に全力を注げなかったのではないか? と推測してみたり。彼女の個性が舞台でどう活かされるのかも楽しみです。チケット持ってないけど。
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 ラスト2曲目にはBerryz工房Cha Cha SING』。脳天気なアゲアゲ曲ですが、めちゃめちゃめちゃめちゃ盛り上がります。というかサビのダンスがわかりやすいのでフリコピしやすく、一気に体温が上がるんですよね。
 踊るのが楽しすぎて誰がソロパートを歌っていたのかも覚えていませんが、Juice=Juiceメンバーを含めた全員(31名!)で魅せるCha Cha SINGは楽しすぎました。間奏では大人数で作り上げる怒涛のフォーメーションに目と心を奪われます。その直後にはコール&レスポンスもあるし、燃えまくりでした。
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 ラストはハロプロ研修生の持ち曲『彼女になりたいっ!!!』で締め。毎回ハズさない最強のポップソングですね。人数が多すぎるためか、前半と後半で歌う人間が入れ替わります。
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 曲間のMCコーナーで印象に残ったのは、野村みな美さんが「最近読んだ本は?」と聞かれての「文庫本です」という回答。どんな本ですかと再度聞かれて、乙一(おついち)の『ZOO』下巻と答えてチルの心をくすぐってくれました。
 もう1つ、Juice=Juiceの新曲衣装について、司会のシャ乱Qまことが「中森明菜みたいですね。あるいは○○みたいですね…と言ってもあなたたちには分からないですよね」と80年代アイドルに例えてイジってJuice=Juiceメンバーに失笑を与えていた場面。
 同じ展開になった夜公演にて高木紗友希さんが「(そんな古い名前を出されても)分かりませーん」とハッキリ断言していた場面がめちゃ笑えました。グダグダになる空気をスパッと断ち切るナイスな判断で、こういう度胸も高木紗友希の魅力だと思いました。
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 というわけで自分でも引くほどの長いレポートになりました。もうちょっと良い座席を引いて脳みそトロけるような体験がしたかったですね。女子小中高生の「発表会」で脳みそトロけさせるのもどうかと思いますけど、今のチルはハロプロ研修生の頑張りを素直に楽しませてもらってます。
 去年の2月にJuice=Juiceの結成が発表され、3月末に公開された『私が言う前に抱きしめなきゃね』のMuisc Videoを見て感じたのは「この子たちはデビューの確約もない状態で何年も努力を重ねてきたんだ!」という点でした。
 新人離れしたダンスと歌を誇るJuice=Juiceメンバーたちが主戦場にしてきた生タマゴShow!とはどんな場なんだろう? と思ったので迷うこともなく研修生公演を見に行くようになったのですが、ハロプロ研修生一人ひとりがデビューを切望する思いを抱き、パフォーマンスに載せて届ける様はとても美しいものです。
 Juice=Juiceが生タマゴShow!に出演しなくなったとしても、おそらく研修生公演を見に行くことは止めないだろうと思います。研修生から生まれる第二弾ユニットに選ばれるのは誰なのか? ぼんやり予想しながら今後も参戦を続けていきます。