Suspect

『サスペクト 哀しき容疑者』を見ました。2014年9月24日、新宿武蔵野館にて。
1ヶ月以上前に見たので記憶がおぼろげですが、エントリとして残しておこうと思います。


またまた韓国映画です。主演はコン・ユ。『トガニ 幼き瞳の告発』で主演を務めた方ですが、『サスペクト』を見た当時は『トガニ』未見でした。


韓国国内で活動している、元・北朝鮮スパイのドンチョルが主人公。韓国で世話をしてくれていた"会長"が何者かによって殺され、その殺人容疑を着せられて逃亡を余儀なくされる。ドンチョルは追っ手を振り切りながら、己の妻と子を殺した犯人への復讐を果たそうとする。


あらすじはこんな感じです。公式サイトにも書いてありますけど。





感想をざっくり言うとアクション全般がかなりハイレベルであり、ハイテンション。銃撃の応酬はあまり無いものの、ナイフなどを使った格闘シーンはハリウッド級ですね。


そして一番熱いのはカーチェイス。主人公と、それを追う韓国軍の大佐が繰り広げる市街地暴走っぷりは狂気さえ感じる凄みです。あまりハードルは上げるべきじゃないのかもだけど、このシーンにこめられた製作陣の熱い思いはスルー出来ない。


会長殺害の真実、妻子を殺した人間の存在。2つの謎に主人公が近付いていく展開は観客のハートを引っ張る牽引力ばっちりです。さらには「会長が主人公に託したメガネに隠された謎」という要素も加わり、そのメガネを奪おうとする勢力と守ろうとする主人公の衝突が見どころを生み出していきます。いわゆるマクガフィンの争奪戦ですね。


つまり、この映画には色んなタイプのサスペンス性が付与されています。様々な作品から良いところを抽出してうまくハイブリッド化してる、なんて言い方も出来るかもしれません。復讐劇、逃走劇、マクガフィン争奪戦。それ全部やっちゃうとお腹いっぱいになりそうなんですけど、それを無駄なく融合する手腕はお見事。凡庸な映画人には出来ないでしょう。


ドラマ性を強化する情報も定期的に適量で提示されるからテンポが良い。主人公が過去に味わった壮絶な訓練とか、主人公と彼を追う大佐との因縁とか。男くさい設定がどんどん湧き出てきてたまりません。


しかし、個人的には…脳のキャパシティをオーバーしてました。情報量に着いていけなくなって「ほうほう、それで?」という好奇心をキープしきれなかった気がします。途中でちょっと寝たような気もするし、そのせいで記憶が曖昧です。


でも全体をおさらいしてみればかなりの意欲作であることは明らかで、特にアクションのインパクトはしっかりと脳に焼きつきました。やっぱり凄かった韓国映画、いつか失速する日は来るんでしょうか?