SOG制作日誌(30)

 ラストシーン撮影。予期せぬトラブルが続いて思いのほか日数を要したわけで、今日こそ撮影を終わらせないといけないのだが…カメラマン畑井に急な仕事が入って来られず、幸先はバッドである。しかしこの頃の俺はズイブン度胸も据わっていて「そりゃしょうがないな、俺撮るよ」と、こともなげに答えていたなぁ。
 D役の山中氏が仕事の都合で途中から抜けるため、Dの写るカットを優先して撮っていくことにする。トイレでの回想やATM前を含めて、いまいち演技力を発揮するチャンスがなかったが(すいません)、撮影最終日になってようやく…ということに。とにかくグッジョブ!見てのお楽しみです。
 アフレコも録り終えて山中氏を解放してもいいはずなのに、本当にいいのか?何か忘れてないか?と不安が消えない。確認しまくった上でOKです、ということに。お疲れ様で〜すと言った後、昼食の席には山中さんがいたり。
 ラストシーンは、多かれ少なかれ各キャラの色が出てくるわけで、そこが作品全体のグルーヴ感を左右する。脳内メモリ的にも余裕があったはずだが、その反面自分でカメラを回しているので演技に集中できていたかどうか判断しづらいものの、結果的に出来上がった画を見ると…みんな魅力的な役者さんだ。
 つまり、この日の俺はある程度の仕事を果たしたということですねっ!…いやね?厳密な順撮りじゃないし、間(撮ってないカット)を埋めていく仕事がほとんどだったんで、あんまり覚えてないのですが。最後の最後、大ラスともいうべき部分(馬鹿っぽいアクションの数々)は現場で考えてて楽しかったです。うむ。
 そんなわけで、なんとかクランクアップにこじつけましたとさ。あまりにも色んな仕事を背負っていたので、改めて感動するとか号泣するとか、そういうことはなかったです。実感が湧かないとはこの事か。撮り忘れたカットはないか?撮影に失敗しているカットはないか?不安だらけである。アフレコの必要はあるけど、とにかく皆さんお疲れ様でした。