セカハー

 何年かぶりに村上春樹世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を読んだ。ボロボロの文庫本。背表紙の折込部分(っていうのかな)は破れてカバーとしての役目を放棄している。
 そんな状態だけど、たった11年前に発行された第17刷なんです。11年しか経っていないんだ、と感じる自分は悠長すぎるだろうか。
 前回は暗闇の中で展開するストーリーにえいがゾンビという立場から「ズルいよ〜」と思ったのですが、今はモノカキ的な視点が自分の中で濃い目になりつつある。
 そんな自分が感じたのは文学というフィールドでやりたい放題遊び放題なハルキ・ムラカーミという存在の凄みである。
 たとえば、全身ピンクのプリプリぽっちゃりガールがしょーもない自作ソングを歌いだした時とか、[私]がぽっちゃりガールの足音を似非フィンランド語に置き換えるところに驚愕しました。
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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)