ほえる犬は噛まない

 2度目のレンタル、3度目の鑑賞。ポン・ジュノ監督作品。デビュー作。韓国語タイトルは「フランダースの犬」らしいです。

  • イ・ウンジェはアタック・ザ・ガス・ステーションとはまるっきり別人。凄いな
  • 何気ない犬主観カメラ
  • 切干大根ババアに気付いて振り向いた直後にアングル変更
  • オープニングのタイトルの出し方もいちいち印象的
  • 気立てが良いけど間抜け、というキャラの表現法。繊細なセンス。繊細なセンスを表現する事に成功しているポン・ジュノ
  • プイッと背中を向けてクルミを割るカットの画面構成
  • 大した意味のないシーン(地下鉄乗り損ねてダッシュ)を見てるとポン・ジュノは人間が好きなのかなぁと感じた
  • トイレで逆ズーム…技法の為に立ち位置を修正されるキャラクター。その修正に意味を持たせる為の細かい描写=ライターがない
  • 泥酔、ゆるーい空気、幸せと不幸せ。状況が整ったところで急発進するドトウの展開。スキの無さにはやっぱり脱帽
  • ヤッバーという表情は逆に新鮮?
  • 怪談を語らせる為のセッティングという意味では不自然なんだけどそれを感じさせないセンス
  • 鼻栓ポロリ

 半分しか見てませんが今日は寝まーす。
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 翌日。後半を観た。「あ、書き留めておこう」と思う瞬間が無いまま最後まで見終えてしまう。最初に見た時も、展開がきっちりしていてテンポも上質なのでメモるのを忘れてしまったのだ。
 スケール感に乏しくこじんまりしているところや、イカしたキャラクターが存在しないところ、愛玩動物があっけなく死を迎えるところ…など、映画としてのスキは沢山存在しているのだけど、それでもチルさんは しっかり映画作ればちゃんと[届く]んだなぁ と実感しました。
 古い話ですが、電気グルーヴのオールナイトニッポンでゲストに呼ばれた細野晴臣が[最近お気に入りのアーティスト]を訊かれて、石野卓球も知らないような名前を挙げ、「知らないでしょ? でもそこにはちゃんと音楽があって、届いてるんだよね」と言っていたのを思い出しました。
 バジェットなんて関係ない。届くんだ。届けたいねぇ。