漫才大会

 通称M-1グランプリ
 POISON GIRL BAND … どこ行くねん!というか、まだそこを掘るのか!とつっこみたくなるようなパンク感は相変わらず。漫才という枠組みの中で表現できる意外性はもっと別の角度からも生み出せると思うのだけど、このコンビは掘り下げっぷりに特化しているってことか。
 フットボールアワー … キモさ一級品の岩尾がしょっぱなからハイテンションで空気を作っていくというスタイルがやや鮮度に欠ける。ボケの新しさ、オチの美しさという意味で審査員が高得点をつけざるを得ないだけのキレはあった。二本ともに同じような雰囲気だったのが痛かった。
 ザ・プラン9 … 5人漫才を成立させる為にボケのキレが死にがち。5人ゆえにスピードの上げ下げという面であまりにも大胆な事ができないというのもネックかな。
 麒麟 … ボケとツッコミがクッキリという意味でオーソドックス、あるいはベタ。決勝で噛んでしまったのも含め、漫才という枠の中での限界が見えたような気がしました。ボケの質がチルさんと合わないだけかも。
 トータルテンボス … ボケの存在感がM-1決勝という舞台の中においては若干地味。それをカバーするはずの相方が「店長がラーメンを作っていますよぉ」連発後のツッコミで思い切りハズしたのが痛恨。
 チュートリアル … アタマおかしなった相方にツッコミを入れつつ付き合うという漫才内ジャンルは割と昔から存在するが、そのマイナージャンルに特化。しかしその枠組に甘えたり頼ったりする事ない絶妙のバランス感覚は誰にも真似が出来ないだろう。冷蔵庫×結婚、チリンチリン×死別というミスマッチ・ブリーディングも対比が美しい。
 変ホ長調 … なめてんの?と言いたくなるような口調は苦肉の策なのか技術なのか。序盤に漫才そのものへのアンチテーゼ臭を感じたのですが勘違いでしたw 毒の吐き方が某しずちゃんと似ているのだけど、知名度がない分この二人の方がガチっぽさを醸し出している。生活感のあるちまちましたボケも十分なクオリティでした。
 笑い飯 … 小学生レベルの世界観大好きだなこいつらw すっかりお馴染みの「どっちがオモロいかレース」に突入する前に長回しボケともいうべきネタでつかみにくるところが残念。そこを伏線として生かすような小細工は不要と割り切っているのかな。
 ライセンス … ドラえもんパロディというジャンルがちょっと残念。トーンやツッコミなどでカバーする腕力は十分感じたけど。