21grams

 つい先日テレビ放送された21gramsをまた観たくなってしまったので早くも観直してしまった。VHSテープだし3倍だし。
 時系列を必要以上にバラバラして描く複雑なシーン構成に一定のルールが存在しているのかどうか?ディレクターのアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥは、複雑なシーン構成で牽引力を生み出すイニャリトゥ・システムともいうべき手法を確立しているのだろうか?
 そんなことを思いながら観ていた。チルさんはあまり映画を観ない人間なので、21grams的な構成で描かれる物語を知らない。クリストファー・ノーランが生み出した「メメント」という異例はあるにしろ、21gramsのような牽引力の生み出し方は過去にあったのかどうか。気になる。
 1つ例を挙げれば…ポールとクリスティーナのセックスシーン、クリスティーナの検査採血シーン、ワンクッション置いて、クリスティーナが薬物反応と妊娠している事実を告げられるシーン、ポールがクリスティーナの家でドラッグを見つけるシーン…この流れ。
 どのタイミングでどの情報を与えるか、という映画作家なら誰もが苦心する部分を「編集による時系列の入れ替え」という形で実行し、緊張感とテンションをコントロールしようとする手法。かなりの腕力が必要な作業。ある意味では邪道なのかもしれない。
 映画作家・イニャリトゥに何が見えているのか、Babelだけでなく、出世作とされるAmores perrosも観て確認しなきゃなーと思う。
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 21gramsのEditorが誰を調べた。スティーヴン・ミリオンという方。経歴を見ると、あれまぁ、スティーヴン・ソダーバーグ作品でも編集してる…そりゃ手ごわいワケだよ。Trafficと21gramsはすごく近い感じするもんなぁ。