NOAH

 腎臓ガンを患い、長期欠場を余儀なくされたプロレスラー小橋建太(40)が復帰を遂げました。
 カードは三沢光晴秋山準vs小橋建太高山善廣のタッグマッチです。日本武道館が1万7000人の観客で埋まりました。
 愚直なほどに一途なプロレスラー小橋が、片方の腎臓を摘出し、トレーニングを禁じられる。生命としての死の予感よりも、レスラー生命が途絶えてしまう事をもっと恐れた男。
 546日ぶりにリングへ帰ってきた彼はガン告知を受ける前とほとんど変わらない肉体をひっさげてきました。
 リングの上で彼が見せたレスリングはガンを乗り越えた人間とはとても思えない内容でした。信じられない。己の目を疑う。実感が湧かない。そんな表現がふさわしい、奇跡の体現者がそこにいました。
 日本テレビ矢島学アナウンサーによる実況中継では、全プロレスファンにとって語り草になる神実況が生まれました。小橋が三沢からフォールを奪われて敗れたその瞬間に。
「小橋が勝ちました! 腎臓ガンに勝ちました!!」
 ○三沢光晴(27分7秒雪崩式エメラルドフロウジョン→体固め)小橋建太×
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 ありがとうを伝えなければいけない人間がもう一人。小橋建太ありがとう。
 岩瀬みたいにデカ文字で書くことが出来ない。ガンを乗り越えた人間に対する謝意を表すのに無駄な装飾はいらない。久々に嗚咽しながら泣いてしまいました。
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