マッドマックス2

 マッドマックス2を観ました。The Road Warriorという英題がついていたりしますが、これはアメリカ公開版のタイトルだそうですよ。原題はやはりMAD MAX 2なのですよ。
 前作で妻と子供を失ったマックス(メル・ギブソン)は一匹狼の「ロード・ウォーリアー」としてひたすらガソリンを求め「ウェイストランド」をさまよっていた。パートナーはきったねぇ雑種犬。
 オープニングは世界観をかもしだすための重厚風ナレーションとありがちなモノクロ映像寄せ集め。「やっぱりこの監督センスないんじゃ?」と不安になる。エンディングまで見れば結果的にテクニカルなオープニングであることが分かる。ベタといえばベタだけど進歩してる。
 ナレーションでマックスの過去を簡潔に説明した直後にハイテンションのカーアクションがスタート。前作で妻と子供を失ったマックス(メル・ギブソン)は感情らしい感情を亡くし、一匹狼の「ロード・ウォーリアー」としてひたすらガソリンを求め「ウェイストランド」をさまよっている。
 荒廃しきったウェイストランドを描写するに当たっての徹底ぶりは良い。描かれる風景はほとんどが砂漠で、廃墟さえも全く描かれない。映画によっては、そういうロケーション選びは撮影しやすくするための妥協にしか見えないのだけど、この作品は徹底している。文化の匂いを排除することが良い効果を生んでいる。現代劇にしか見えなかった前作に比べると意図がハッキリしている。
 ストーリー展開もテンポが良く、起伏がきっちりしている。脚本チームは日本の時代劇映画を参考にしてストーリーテリングの基礎から見直したらしい。確かにキャラクターの個性とか立ち位置などは日本映画の雰囲気も感じるかも。
 アクション、脇役(おしゃべりクソ野郎)との出会い、ガソリン精製集落の発見、集落との接触。死にかけていた集落住人を引き渡すことでガソリンを手に入れようとするマックスだったが、信用されず拘束されてしまう。車を没収され処刑されようかというタイミングでレイダー軍団が集落を取り囲む。レイダー軍団は精製施設を明け渡すよう圧力をかける。
 大量のガソリンとともに移住しようと考えている集落のリーダー。レイダーとの交渉に応じるべきという意見が噴出する中、マックスがタンクローリー用のトレーラー入手をを条件にガソリン提供を要求する。
 このトレーラーで集落に帰るのが最初のクライマックス。マックスが集落に帰還するも、レイダーも一緒に集落へ。うわ、やべーよどうすんだよ!とドキドキさせてくれます。
 なんとかレイダーを追い出して一息ついたものの、マックスは「トレーラーを入手するという仕事は終わった」と言い、ガソリンをもらって早々に集落を去ろうとする。この辺は展開としての意外性があり、主人公としての意外性もある。憎い演出。
 集落を去ったマックスは早速レイダーに襲撃され、愛車は大クラッシュ。ガソリンを盗もうとしたレイダーはトラップにかかって爆死するも、マックスは愛車と愛犬を失う。終盤に来てこの展開はなかなかシブいです。
 ズタボロのマックスはおしゃクソによって救出され、集落へ逆戻り。移住を決断した集落のリーダーに代わってタンクローリーの運転に立候補。集落vsレイダー、存亡を賭けた最後のデスレースが始まる。。。
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 総合的に見て、傑作ですね。物凄い映画です。映画史に燦然と輝くアクション映画の金字塔。そんな表現も大袈裟にならないですね。
 アクションシーンに使われる音楽が過剰かつダサいのは否めませんが、世界観やストーリー展開もよく出来ているし、アクションシーンにこめられた熱意はかなりのもの。脇役・敵役の個性もハッキリしている。オチも良いですなぁ。
 早くシリーズ3作目を観ようと思います。シリーズ第4弾が今年公開されるという話もあるみたいですね。世界観しっかりしてるし、期待して良いのではないかと。