マッドマックスTD

 マッドマックス/サンダードームを観ました。マッドマックスシリーズ3作目です。英題MAD MAX BEYOND THUNDERDOME。
 つかみが良い。モタモタしていない。潔い。
 世界観は相変わらず良い。閉鎖された空間Barter Townの完成度は凄い。今見ても古臭くない。
 タイトルにもなっているサンダードームでの決闘はクライマックスだと思いきや最初の山場で消化されてしまう。意外。サンダードームでのアクションはワイヤーアクションの原型の位置づけになるのだろうけどカメラワークもアクションの創造性もかなりレベルが高い。驚きました。
 決闘に勝利したマックスだが、取り引きによって与えられた指令を遂行できずBarter Townを追放され砂漠のど真ん中で放置された末に、原始的な生活を送る謎の集落にたどり着く。
 この辺の展開で作品全体の熱・テンションが冷めていく感じはある。マックスが目標を見失ってしまうことで作品自体も停滞寸前。ちょっと意表を突きすぎ?
 マックスと集落民はなんだかんだでBarter Townに舞い戻り、町をしっちゃかめっちゃかにする。風景とアクションのノリがインディージョーンズみたい。マッドマックスらしいキレとハードコア感に欠ける。
 Barter Townを脱出したマックスを改造マシンで追いかけるレイダー軍団。ここに来てやっとカーアクションシーンである。しかしマックス達の乗っているのは機関車なのでやや単調(マックスは車に飛び乗ったりするけど)。しかし無茶なスタントっぷりは健在。なかなかに創造性も高い。
 オチはマックスというキャラクターの悲しさをキープしていて良い。エンディングの余韻は近年のメジャー作品にはなかなか見られるものではない。
 全体に中途半端なハリウッド色が見え隠れするのは否めない。キャラクターのほとんどが死なない。全然MADじゃなくなってますね。ガソリンを奪い合うためだけに死にまくった前作とは大違い。
 Barter Townという舞台を描いていく段階ではかなり質の高いシナリオなんですが、せっかくの舞台がスポイルされてる感あり。ハリウッド的にはよく出来てるんでしょうが。