ミスティックリバー

クリント・イーストウッド監督『ミスティック・リバー』を見ました。
荒木飛呂彦が著作でイーストウッド作品を絶賛していたので改めて見てみました。ベン・アフレックの監督デビュー作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』と同じ原作者でもあります。
ミスティックリバーよりはゴーン・ベイビー・ゴーンの方が好きかな。
この映画を見ててなぜか、日本のテレビ業界が濫造し続ける2時間サスペンスドラマとの比較を自分の中で繰り返したのです。見ながら2度ほどツイート。
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2時間サスペンスが何故くだらないかっていうと殺された被害者がどこにでもいるような成人だからだ。どこにでもいるような役者がギャラ欲しさに死体役やりたがる。プロダクションのしがらみから抜け出せないのになにが「ドラマ」だ。
2時間サスペンスのイヤなところ。部外者がしゃしゃり出てきて事件解決した後はハッピーエンドになっちゃうところだね。軽い笑いが起こった瞬間にストップモーションになって終幕、とか最悪だね。
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自分のTwitterから転載したけど、ミスティックリバー見ながらこんな事を考えた。ミスティックリバーの被害者は19歳の少女だし、被害者の父親と事件を担当する刑事と重要参考人の3人が幼馴染。どうしても他人事に出来ない事件が3人にのしかかる。呪いのごとく、不幸が街を覆う。
被害者の父親は幼馴染を娘殺しの犯人と誤解して殺してしまう。その直後に事件の真犯人が逮捕される。なぜこの結末に至ったのか、という部分にもう少し重厚さがあっても良かった気がします。
被害者の父親であるショーン・ペンに疑われて殺されるティム・ロビンスも、殺されても仕方ないかなぁと思わせるような演出がもう少しあっても良い気が。ベタですけどショーンペンの脳裏に娘の記憶が蘇るとか。暗い川べりで殺されるので表情も分かりにくいから、描写の補強が必要だったように思う。
後味が悪いからイヤというわけではなくて、あまり綺麗なオチではないかなと。まあこんなところです。