GAMER

『ゲーマー』を見ました。
世界のゲーム市場の中心はFPS。First Person Shootingというジャンルです。Call of Dutyという怪物タイトルは毎年リリースされ続け、最新作は5億ドルを売り上げる。オンラインの戦場に世界中から傭兵たちが集まってくる。そんな市場に目をつけた企画かなーと感じました。
ゲーマーが操作するのは死刑囚。ナノ細胞で制御された死刑囚達は銃器を手に殺し合い、その見返りは、戦場から30回生還で釈放される。
まあこの辺の設定は結構どうでもいいです。FPSに思い入れのある自分でも冷めてました。
この映画のダメなところは肝心のアクション・シーン。何を目的に戦ってるかが分からないし、打開すべき状況もないし、それを乗り越えるアイディアもないし、とにかくアクションに見どころというものがまったくありません。
脚本に書かれているのは物語の流れだけで、その合間にあるアクション・シーンはどうでもいいんでしょう。主人公の強さ、その主人公を操るゲーマーの強さが全然表現されていない。
ディレクターもやたらクセの強い演出で、心底うんざりするほどカット割りが多い。無意味なカット数の羅列。くだらなすぎる。迫力はあっても、それだけで緊張感はキープできません。
「このアクションやりたかっただけやん。シナリオテキトーやん」って作品はよくありますけど、この映画は逆ですね。シナリオが適度にまとまってるからアクションが雑の極み。
物語の展開は嫌いじゃないしオチも悪くないと思います。
主人公はスキをついて戦場から逃走、罪を着せられた復讐を果たすために殺し合いゲームの主催者の元へ。主催者は主人公が遠隔操作の対象であることをわかっているので余裕こいてるのですが、殺し合いゲームへ反対する正義のサイバーテロ軍団の助けもあって主人公は制御を解かれ、ゲーム主催者をナイフで刺し殺して終わり。
アクションのアイディアを持ってる監督を引っ張ってこればもうちょっと面白い作品になったかもしれませんが、この程度のこじんまりとしたシナリオじゃこのレベルの監督が限界なのかも。