RUSH

 2014/02/14(すんごい雪の日) ユナイテッドシネマズとしまえんで『ラッシュ/プライドと友情』を見ました。(公式サイト)
 1970年代に激しいライバル争いを繰り広げた2人のドライバー、ジェームス・ハント(イギリス)とニキ・ラウダ(オーストリア)が描いた奇跡のようなストーリーを映画化。
 公式サイトには9割方あらすじが書かれていて、映画を見る前に読むのはもったいないので止めておきましょう。もしかすると予告編も見ない方がいいかも。
 2人のドライバーはどちらも己の才能を100%信じきっているのですが、性格や目標に対するアプローチがまったく異なっています。
 ハントは「結果さえ出せばプライベートは自由だろ」と酒と女に溺れまくるベタなプレイボーイなのですが、そういう彼の人柄に自然と支援者や仲間が集まるが、レースの前には毎度のように嘔吐する弱さも持っている。
 ラウダは自分自身にストイックであることを求め、ドライバー登録してもらうために銀行から借金をすることも辞さず、マシンのセッティングに関する知識も豊富。ビッグマウスな言動はなかなか理解されにくいものの、結果で周囲を納得させていく。
 F1でのキャリアの大半はラウダがハントを圧倒していたのですが、1976年シーズンはかつてないほど両者のポイント差が拮抗し、世界中の注目を浴びる最終戦にもつれこむわけです。
 そしてこの最終戦の舞台が…富士スピードウェイで行われる<<日本グランプリ>>なんですね。F1に疎いチルなので、この展開には驚きました。
 第一次F1ブームのピークともいえる1976年シーズン、最終戦に至るまでに2人の間で何が起こっていたのか。2人のドライバーのドラマはどのように幕を閉じたのか。非常に見応えのある、ウソのような事実がそこにはあります。
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 ひとつ気になったのは、主人公2人が妻と出会うきっかけが、なかなかに適当でリアリティに欠けるところ。事実に従えばそうなっちゃうのかな、とも思うし、フィクションだとしたらちょっと下手すぎだろ、とも思います。
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 ジェームズ・ハント役は『マイティ・ソー』の主人公ソーでお馴染みクリス・ヘムズワース。マッチョな性格の天才レーサーをパーフェクトに演じています。
 ニキ・ラウダ役は『イングロリアス・バスターズ』でユダヤ人女性にしつこくつきまとうドイツ人の英雄をいやらしさてんこ盛りで演じたダニエル・ブリュールです。今作でも、カッコ良いんだけどどことなくムカつくというキャラクターを見事に作り上げています。
 生涯の一本を塗り替えられることは無かったわけですが、なんとなく映画を見る気になったカップルがチョイスするにはベストなタッチの映画ではないでしょうか。