チルの俺ライ

 10月10日はJuice=Juiceの日! 2014年10月10日に行われたイベントで、ファンから募集したライナーノーツを読み上げるというサド気質なのかマゾ気質なのか分からない企画が行われました。過去のシングル曲についての批評・分析・感想を書けとのお達しです。

 チルもけっこうマジになって採用を目指したのですが、結果的には不採用! でもまあ頑張ったのでblogで公開してみようと思います。

 題材として選んだ楽曲は最新シングル『伊達じゃないよ うちの人生は』と、デビュー初年度の代表曲『ロマンスの途中』です。

 まずは『伊達じゃないよ うちの人生は』のライナーノーツから。

 これまでのJuice=Juice楽曲は「笑顔を見せる曲」と「笑顔を見せない曲」という2種類に大別することが出来るでしょう。

 その両者の間にあるギャップを乗り越える優れたパフォーマンスで多くのファンをつかんできたのだとすれば、『伊達じゃないようちの人生は』における笑顔には、グループ結成から605日間の活動を経て5人が手に入れた自信が自然と表れているように感じられます。

 つまりこの曲でメンバーが見せる笑顔は、ドヤ顔なのです。

 もちろん表情だけでなく、メリハリの効いたダンスや伸びやかな歌声にもドヤ感は漂っていて、ハロー!プロジェクトの頂点を虎視眈々と狙う野心さえも感じさせてくれます。
 一方で両A面シングルの『背伸び』ではナイーブな人間性の表現に挑戦していて、破竹の勢いで進んでいくJuice=Juiceが抱える隠し切れない不安が見え隠れするようなセンシティブな楽曲に仕上がっています。

 単なるカップリングではなく、キャラクターとしても対称的なこの2曲は、鏡に写った自分自身との会話を聞いているようでもあり、決定的に違う2人の人物が運命的な出会いを果たしたワンシーンを見ているようでもあるのです。


 …こんな感じで。この曲の歌詞はアイドル的な笑顔とは別種の匂いを感じさせてくれるところが印象的で、それをドヤ顔というワードに無理やり押し込めました。『背伸び』とこの曲がとても好対照な2曲であることも言及。

 続きまして『ロマンスの途中』ライナーノーツ。締め切りを過ぎてしまったのでこちらは応募できませんでしたが、思い切って小説形式にしました。

 自分の気持ちはずっと前からハッキリしている。それなのに、前へ踏み出す勇気が、輝かしい未来をつかむ勇気が無い。

 私は恋をしている。部活も忙しいし、勉強もサボれないのに、さらにもうひとつ気苦労の種が増えてしまった。自業自得だ。

 夏休みに入る直前、彼が短期留学するという情報が聞こえてきた。夏休みを終えたら彼は私の知っている彼じゃ無くなっちゃうかもしれない。そんな根拠の無い声が私を不安にさせる。今の彼を独占したい。

 夏休み最後の日、友達に小さいウソをついて、1人で帰ることにする。私は彼の姿から視線を外すことが出来ない。帰り際、彼は急に教室へ戻っていった。不自然にならないように後を付いていく。

 忘れ物を持って教室から出てきた彼は私の姿を見てフレンドリーに話しかけてくる。それだけでも私の意識は無重力空間にいるみたいに軽くなる。でも今の私に必要なのは、勇気だ。こんなちっぽけな私を鼓舞するような声援を、クラップを、ください。

「俺、夏休みに留学することになったんだ」

 そうつぶやいた彼の目を見ていると、自分が自分じゃないような気がしてきた。次の瞬間に「寺田君、愛してるわ!」私の口は確かにそう言った。きっと言葉のチョイスは間違っているけど、それでも私は踏み出した。ロマンスの途中に。


 女の子が告白する瞬間に印象的な歌詞をからめてみました。無理やりなのは分かってるよ! 参考イメージは映画『ほえる犬は噛まない』で主人公が勇気を振り絞るシーン。500文字を超えたので削って削って投稿してみたんですが、日付変わってて締め切り。しょぼーん。