SOG制作日誌(8)

 ワークショップ二日目=最終日。俺にとっても参加者にとってもある意味本番といったところか。
 基本的に参加者は、シナリオ雑誌から抜粋した1シーン(取り調べ室)を二人一組で演じる。それを見た窪田・山本両氏がアドバイス的に演出する。アドリブとかも全然ありだったらしい。
 「らしい」というのは、俺は俺で1人1人と面談して「新宿オニごっこ」の出演者を決めなければいけなくて、演技に関しては全く見る余裕がなかったのです。面談の後にワンシーンを演じてもらうつもりだったが、面談なんて慣れていないので時間がドンドン過ぎてしまう。結局時間内に全員と話せなかったので、山本君が公民館の別の部屋を改めて借りてくれた。すまん。
 ワークショップ自体も時間延長したにも関わらず12〜13人の人が残って、両氏の演出を受ける。部屋が狭くなったので演技をしている時の迫力とか雰囲気が感じられて面白かったです。それでも新宿オニごっこの面談は続いたわけですが。
 面談をようやく終えて、窪田・山本両氏が所用で退出。二人に代わって俺と、もう一人短編作品を監督する藤井徹さんが、参加者の演技を見て意見する機会を与えられる。恐縮である。
 当初は「オニごっこ」のワンシーンを演じてもらうつもりだったが、参加者のうちの一部の人だけにそれをやってもらうのは不公平な気がしたので「取り調べ室ドラマ」を引き続きやってもらうことにする。いきなり「オニごっこ」の演技をしろというのも恥ずかしいのでは?と思ったし。
 のちのち出演を依頼した北村さんに「あの時のカントクは目が怖かった」と言われるほど、超真剣に演技を見る。そりゃそうだ、俺は出演者を選びに来ているのだから。ところが結果的に、この日演技を全く見ていない人から四人選出してるのだから、俺ってやつは。。。
 基本的に、みんな上手い。ある程度のレベルまでは到達している。失格!という人はいない。かといって100点を付けられるわけではないので色々と意見する。
 「テンパってる感が見えるので、もう少し余裕を持ちましょう」とか「そんなに演技しなくていい。それ以前にキャラとしてその場に『存在』してください」とか、それっぽい事を言った記憶が。。。もう1人作家として参加した藤井さんの演出に親近感を覚えたため、この日以降藤井さんを「ある意味、師匠」と認定する。
 そんなこんなで(飲み会とかあったけど)お開き。疲れた。