SOG制作日誌(13)

 いよいよクランクイン。不安だらけで3時間しか寝ていない。元々テキトーなプロットである事が不安の最大の要因なわけですが。ワークショップ以来の再会となる役者さん達にちょっぴり緊張したり。
 なにしろ平日なので全員が1日中撮影できるわけではない。サクサクと進めたいところ。4月頃からネットで師弟関係を築き上げていた(?)石田将嗣氏と初めて対面を果たす。助監督をやってもらうことになった。
 オープニング、ATM前のやりとりは後回しにして(考えてないからね)コマ劇場前の広場を横切ってオニごっこがスタートする画から撮影。テキトーなカメラワークは避け、どのカットも工夫をこらしたつもり。それはつまり、1カットに多くの時間を必要とするわけで。サクサクとは行かない。
 つかみが肝心!と、4人をいきなりゲームセンターへ突入させてみたわけだが、撮影していると店員が無言のプレッシャーを送ってくる。こちらも負けじと気づかないフリをして撮影。ちょっぴり派手なアクションを撮っていたらさすがに目に付いたのか「撮影は遠慮してください」とのお達しが。はいはいそーですか、とあっさり退散。
 その後、エレベータから見下ろすロングショットに挑戦。広い画のため、4人には相当な距離を走ってもらう事になるわけだが、その時の俺には遠慮する気などさらさらない。畑井と共にエレベータへ同乗した石田氏と、携帯で連絡を取り合いながら走り出すきっかけを出す。こういうダイナミックな画はなかなか撮れないので、こだわって良かった。
 オニごっこルートを変更したため、プランが一時的に白紙に。適当に使いまわしの利く画を集めてるところで、山中さんが仕事のため離脱。ついでに赤松さんも体調不良で早退!先の撮影にようやく不安を覚える俺。
 AとBの2人で撮れる画を撮っていくしかない。地下道の階段を下りる際に、前から温めていた「飛び飛びカット割り」を使ってみることに。三歩目、「ズダン!」という着地の画に畑井が異常なこだわりを見せたので、そのカットだけ監督業を放棄してみる。
 その辺の画を撮っていた頃、借り物のDVカメラの液晶画面が映らなくなって焦る。ショックを与えたとかそういう事はなかったが、冷静に考えると直射日光が原因かな…と。これまた不吉である。時間はいつのまにか夕方で、カメラを休ませるべきだろうか?とも思ったので、ABが階段を下りきったところで撮影初日を終えた。ふぅ。