戸梶圭太「嘘は止まらない」

戸梶圭太・著[嘘は止まらない]を読んだ。読後感としては70点くらい…か?


詐欺師meets外交官(アフリカの超途上国)というハナシ。はてなDで軽くチェキった結果、一部で[キャラが立ってる]という評価を目にしたが、振り返ってみると確かに頷ける。

結婚詐欺で食いつなぐ詐欺師、スロットで生き延びる詐欺師、カモがキレたせいで車椅子生活を送る詐欺師、←の母からノウハウを叩き込まれたイカす美人詐欺師。

どうしようもなく自堕落でカモられる的になる外交官、漬物工場で不法就労する真面目な外交官、←の工場で働きながら安い娘に手を焼く母親、それでもちょっと立ち直って修正しつつある娘。

映像をやる人間としては、これだけキャラが走ってくれればさほど苦労しないで客を惹きつけられるのだろうなぁ、と思う。そういう視点を失いつつあったので勉強になりました。

かといって展開が地味かというとそうでもなく。シーンの転換がやや少ないのでイメージが狭い感はあるが、ラストは結局戸梶の基本線[自業自得]に落ち着いたのかな。

もっと[売れてる]作家ならもっと気の利いた展開が待っているのかもしれないが、トカジはトカジゆえにトカジである。なんだそりゃ。