ムラマサ 一の章

製作:RIKIプロジェクト 製作総指揮:竹内力という、なんだか不穏なニオイのするVシネマ[ムラマサ 一の章・覚醒]を観た。レンタル。DVD。

http://www.rikitakeuchi.com/video/muramasa.html


素晴らしい。

想像をはるかに上回る出来だったので驚いている。

ブレイドの[カバー]なんだろうなぁとか思っていたけど違いました。企画・脚本・監督を松井昇氏が担当しているのだけど、キャリア15年とは思えない若々しい発想を感じた。こういった世界観はそれほど斬新ではないにしろ、現状を考えればこのような企画はかなり新しいと思う。

RIKIならではのコネクションや説得力、スケール感などは流石にインディーズじゃ真似できないな、と思ったけど、それでも何処かインディーズ的な意欲が見られて「こういうのやってみたいなぁ」とか思わせる魅力がある。

演出や構成、演技などのディティールもかなりのハイスコア。構成はほとんどダレずにかなりの密度を保っていたし、CG処理やアクション、セリフのチョイスなどの演出もかなり良かった。メモした限りでは[ここは良いなぁ]と感じた部分が36箇所もあった。

世界観、構成、展開をひっくるめたシナリオもかなり良かったし、松井氏の意気込みが全編に渡って感じられた。満を持してのリリース、という感じがしてVシネらしからぬ重みがあった。大きな伏線を張っておく、みたいなダイナミックさは無かったのが寂しい感も。

肝心の主演RTは主に顔面の圧力やオーラで力を発揮していた。アップの表情の精度は流石である。そこにイカしたCGがからんでくると反射的に[イカすぜ]と感じてしまう。

ヒロイン的な役柄でチルさんのハートを鷲掴んだ勝村美香さんは演じ屋のメイン女優らしい。うーむ、いかにも実力ありそうだ。ルックスは石川亜沙美的だが顔面のバランス的には石川さんよりグッドで、しかも演技も悪くない。カツゼツに?な場面はあったがそれはむしろ演出のミスな感じ。アクションも出来て素晴らしい。

小沢和義氏のポジションもかなり良くて日本レベルで終わってほしくない存在感を感じた。他にもRIKIプロ所属の役者陣も安定していて、脇役の凄みを見せ付けてくれた。

この映画は正直なところ多くの人に見ていただきたい良作である。世界観が幼いと感じる人間にとっては退屈だろうが、クオリティという面では合格点。RTがこの世に存在する理由をそろそろ国民も認識すべきである。