ソナチネ

久しぶりに[ソナチネ]見たけどやっぱり微妙でした。ダイハードをやろうとする北野武のために資金をかき集めたけど(集まらなかったんだっけ)方向性もさっぱり違ってああいうものが出来た、という経緯は知っているのですが、ダイハードからハズれていったという部分については、

北野武自身、沖縄の壮大な自然に触れたら殺伐としたヤクザの抗争絵巻を描こうとする意欲が吹き飛んでしまったんじゃないかな? とか思いました。

なんだかんだで散り散りになって最果てのボロい家屋に逃げ込んだ後、重いんだか軽いんだか分からないくらいの自然がドカーンと姿を現した段階で始まってからまだ30分くらいしか経っていない。何度も見た作品なのに、この後1時間どうやってつなぐんだろう? と思って笑えた。

グイングイン展開していくわけじゃないけど、心地よいという意味では十分にクオリティを保っている。手持ち花火で戦争ごっこしてる間に…なんてかなりステキなシーンである。

かといってこうやって感想を書こうとすると褒めるところばかりだなぁ。エレベータでの○○とかも鮮烈ではある。セオリー的な演出が全く存在しないので唐突すぎて起伏に乏しいのだけど、起伏の大きさでリアリティの無さをカヴァーするよりよっぽどマシなのかな、と思う。

クエンチンさんちのタラ吉がソナチネ大好きで上映の権利買ったとかいうエピソードもあるけど、変態えいがメイニアである彼がどの辺に目を付けたのか気になる。キタノタケシのバイオグラフィーとか知らないだろうし。あ、でも深作つながりで知ってるのか。タラ吉は[凶暴につき]にどんな評価を下したのだろうなぁ。

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