押井守「注文の多い傭兵たち」

 これまた一気読み。ウィザードリィに熱中した押井守コンピュータRPGについて考え抜いた雑誌連載の単行本化。
 90年代初頭のPCゲームをプレイした様子を豊か過ぎるイマジネーションで膨らませて綴った[Replay篇]と、斬新すぎるオリジナルRPGの企画書で構成された[企画篇]で成されている。
 アニメーションのディレクターという認識だったはずの押井守という人物が、チルさんの中で異形なる才気をまとった仙人みたく思えてくる。それほど鋭い視点を持っている。
 現在55歳の押井氏がコンピュータゲームというものを深〜いところまで見抜いているという事実は驚異的でさえある。
 チルさんはかつて押井守監督による実写映画「Avalon」を絶賛したのだけど、もっともっと若い世代の映画人が、映画人として[ゲーム]を語らないと押井氏にやられっぱなしになってしまうよ…やべぇよ、急ごうぜ!

注文の多い傭兵たち

注文の多い傭兵たち