パトレイバー/新OVA1・2・3

 先週、NHKBSで押井守特集ウィークリーみたいな企画をやってたんですねぇ。うすうす知っていましたが、観たくてたまらない!というわけでもなく、パトレイバー三昧の日々を。
 TVシリーズを観終えた次は新OVAシリーズ。TVシリーズ放映終了のすぐ後にリリースされたそうです。全17話+おまけ。

機動警察パトレイバー NEW OVA SERIES [DVD]

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 TVで片付いていなかったグリフォン篇をOVAで・・・という、やや反則気味な片付け方。グリフォンを開発した内海、操縦者のバド、これらのキャラクターに深みが無く、徹底的に子供じみた動機で破壊活動を行っていく様はやや食傷気味になってしまいました。
 警察にケンカを売るという無謀さがグリフォンの圧倒的なスペックという要素だけで成立してしまう点、グリフォンが世界で突出した性能を誇るにも関わらず開発者の存在感が皆無に等しい点など、難点を挙げればキリがなさそうです。
 香貫花が助っ人として参上する経緯などは唯一燃える展開でしたが、やっぱり物足りなかったです。グリフォン大破、パイロットの少年バドは母国へ強制送還、という結末となりました。
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 グリフォン篇が4話で終わり、残りのシナリオは単発もの。パトレイバーの世界観とキャラクターを利用しつつ実験的な物語が多いです。
 「火の七日間」は押井守脚本。整備班班長・榊のおやっさんによるエロ本エロビの撲滅宣言に端を発したナレーション過多の小難しいアホ物語です。おやっさんに懐柔され風紀委員を気取ったシゲさんの暴走をナチスドイツによる弾圧に見立てていく展開は、学生運動に積極的だったと思われる押井さんの遊び心がモロに露呈。笑えます。
 「二人の軽井沢」はTVシリーズを含めても、ある意味もっとも実験的な一本。アニメーションを製作する前にセリフを録音し、それに合わせてアニメを製作したそうです。
 内容は、幹部研修で軽井沢に向かった特車2課第一小隊隊長・南雲しのぶと第二小隊隊長・後藤喜一が、二人で東京へ帰ろうとするが、渋滞と台風に見舞われて行き場を失う。動きようがないので近場のホテルに泊まる事にしたが、ラブホテルぐらいしか見当たらない。
 ヒョウヒョウとした後藤さん、真面目で固い南雲さん。この二人がラブホテルで見せる奇妙な関係。その状況に普通に赤面しちゃう南雲さん、そのリアクションだけでここまで笑えてここまで萌えるとは思いませんでした。この二人の関係がパト2theMovieで一応の決着を見せる事を思うと…
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 これで、パトレイバー全部観たことになるのかな。テレビ版かOVAの一部がDVDに収められずお蔵入りになってるらしいですが、それはともかく。世界観を頭に叩き込んだ状態で劇場版を見ればまた違った印象になるのでしょうか。
 というか、すぐに劇場版2を観たんですが、完璧ですね。無駄が無いし、テンションあがっていく展開が素晴らしいです。