逆境無頼カイジ

 逆境無頼カイジ(web)
 カードを11枚消費したあげく、☆を2個失ったカイジ。リピーター船井に命の☆をまんまと掠め取られてしまった。
 絶望に打ちひしがれていたカイジ。その視界に借金を作ってカイジに押し付けた張本人・古畑が飛び込んでくる。
 古畑は☆が1個、カード4枚。カイジはカード1枚と☆1個だが資金が1000万。吹き溜まり休憩室にいた参加者の中から“☆の男”安藤を見つけ出し、3人で寄せ集めの弱者集団を結成する。
 カイジがトイレに行くと弛緩した気分の古畑が付いてくる。古畑の手元にカードが無いことに気付いたカイジはカードの在り処を尋ねる。安藤に渡したと聞いたカイジ、安藤が渇望していたカードを手に入れた事に危険を感じ、会場へ急ぐ。
 安藤は今まさに勝負をしようとしているところだった。カイジの中止勧告を無視した安藤は残り1枚だったパーを使い敗北。3人は完全に崖っぷちに立たされる。。。
 残ったカードはチョキ4枚。これ以上☆を落とせないにも関わらず、カードの選択の余地無し。悔やんでも悔やみきれない、バランスの悪さ。
 カイジはそのバランスの悪さに着目する。古畑・安藤に「カード9枚の男をマークし、その男がグーとチョキを使っていたら知らせろ」と命じる。
 該当する参加者は弱り目の参加者を獲って食うハイエナのような男だった。その男の前で絶望しているフリをしてハイエナの食欲を刺激。勝負にもちこんだ。
 ハイエナ男の手持ちカードは現在7枚。その前の戦いでグーチョキを使用している。男がカードのバランスを考慮しているなら、次の勝負でグーかチョキを出すとバランスが崩れ、選択の幅が狭くなる。バランスを考える人間はそれを恐れる。よって次に出すカードはパー
 カイジはそう読んだが、全ては空論。パーを出してくる保障は100%ではない。負ければ終わりの状態で勝負を挑む。
 読み通りハイエナ男はパーを出し、カイジ軍団は4つ目の☆を得る。大はしゃぎする古畑と安藤。
 カイジはハイエナ男を挑発し、さらなる勝負を挑む。ハイエナ男がバランスを重視しているなら残りのカードはグーチョキパー2枚ずつ。次に出すカードは全く読めない。それでもカイジは強行的に勝負を仕掛ける。「俺達はまだまだ☆を取っていかなきゃならねぇ…いいから任せとけ!必ず勝つ」と二人を説き伏せる。
 ハイエナ男は挑発に乗る。出したカードは…グーカイジは選ぶまでもなくチョキ。せっかく得た☆を瞬く間に失ってしまう。。。
 ハイエナ男は絶望するカイジの姿を見て再び食欲を取り戻す。逆にカイジを罵倒・挑発し、3戦目の勝負を挑んでくる。古畑と安藤は必死に止めるが、カイジは勝負を受ける。
 これはカイジの仕掛けた罠だった。ハイエナ男の理論ではカイジの持つ残り2枚のカードがどちらもチョキであるはずがない。残り4枚からチョキチョキと出したから、残りはグーかパーでないといけない。
 ハイエナ男は理論上で“負けるはずのない”パーを出す。負ける。さらに勝負を仕掛けたハイエナ男は“4枚目のチョキ”というブービートラップにからめとられる。カイジ軍団は5つめの☆を得た。
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 福本伸行も容赦ないというか。3人で☆4つという状況を、3人で☆3つのサドンデス状態に追い込むあたりはヒリヒリした空気を徹底的に貫いている感じがしますね。
 サドンデスになった時の絶望感、カイジの「1頭のライオンが3つに分かれて生きていけるかよ!」というセリフあたりのドスンとした重みなどは原作に及ばない感じがしました。アニメも声優も迫力不足かな。
 追い込まれた人間ほど理にすがり、叩きのめされる…という福本の法則が出たあたりはカイジの面白みがきっちり発揮していたのではないでしょうか。面白いです。