ヘッポコーズ長編

 テーブルトークRPGソード・ワールド」のリプレイ集が生み出した史上最高の人気キャラ? イリーナ・フォウリー率いる“ヘッポコーズ”。リプレイ集は随分前に読破したのですが、とうとう小説も読んでしまいました。

 ヘッポコーズリプレイのノリは基本的に好きだったのですが、読んでいてどうしても拭えない違和感がありました。ヒースクリフの尊大ロールプレイを許容しきれなかったのです。キャラクターの個性は大事だけど、人間関係崩壊するだろというレベルまで増幅されるとキツい。
 しかしヘッポコーズリプレイの魅力はそれを補って余りあるドラマ性。なんだかんだでワクワクさせられます。最終巻を予定していた9巻、規格外の強さを誇ってきたイリーナがモンスターの攻撃を思い切りクリティカルで食らって死亡。サイコロの神が悪魔に変わった瞬間でした。
 某マンガに例えれば孫悟空がリクームに殺されてしまうようなものですかね。そのハプニングによって誰にも予想が出来なかった展開が生まれ、6人+6人の12人大所帯パーティに至るなどのスペクタクル性をもたらしました。
 今回読んだのは長編小説となったヘッポコーズです。猛女イリーナと誇大屋ヒースが物語の主軸になっているため、ヒースの良い意味での魅力もしっかり膨らんでいます。
 ファンタジー世界ならではのギミックやキャラクターの魅力を生かした壮大な見せ場などは小説でないとなかなか実現しづらいところでしょうか。流石に面白い。まだ続刊していくようなので新刊を待ちたいと思います。
 しかしソード・ワールド2.0なるものがリリースされていて、SW世界観にSF要素が組み込まれているとは驚きました。そちらのリプレイも読みたいなぁ。