The Wolf of Wall Street

2014/02/04に新宿バルト9にて『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を見ました。 http://www.wolfofwallstreet.jp/ マーティン・スコセッシ監督作品。
株式市場の緩さを利用して馬鹿みたいに儲けていた連中(実在)がいかに馬鹿な時間を過ごしていたかを伝える伝記映画。
ドラッグとバイオレンスの軽妙なバランスで笑いを創り出したのがグッドフェローズなら、今作はドラッグとセックスのコンビネーションが次々と炸裂している。
グッドフェローズ』のレイリオッタが風がふけば倒れるような危うい精神状態を演じていたとすらば、今作のディカプリオは血色も良く、自信に満ちており、自分の生き方に疑問を抱いていない。少なくとも表面上では。
ドラッグによってもたらされる躁状態で金儲けに邁進する様が何故かスラップスティック劇になり、ディカプリオの暴走芝居が波打つ様を堪能できる。
マネーロンダリングに利用していた嫁の母親が急死したため、クルーザーで荒れ狂う海に発たなければいけないというムチャなシーンは本当に馬鹿馬鹿しい。こんなのノンフィクションとは到底思えないのだけど、こういう展開をリアルさにこだわらず躊躇なく放り込むのが凄いと思う。
ディカプリオの演技は、かつての二枚目がよくもここまで!というギャップがすごみを引き立てているキライはあるものの、その域を越えてこんなのディカプリオしか出来ねえわ、というZONEに到達している。
超ヤバイケミカルドラッグを飲んでからの、ジョナヒルとの大げんかシーンは映画史に残るベストバウト。ワーストバウトかも。最初は笑えるけど途中からこいつらスゲえ!という畏怖に変わる。役者の醍醐味。
様々なキャラクターが競り合うアカデミー賞主演男優賞の行方がすごく気になります。デブ詐欺師か? 株式の亡者か? 奴隷か? AIDSのカウボーイか?